要点(3つ)

  • 美容室向けの「MEOのやり方」系の質問4つをChatGPTに各3回(計12回)投げたところ、引用元チップ計136件のうち民間サイトは0件でした。すべてGoogleの自社ドメインです
  • つまり「やり方」を聞かれたAIは、Google公式ヘルプだけで答えを完結させる傾向が強く、解説メディアが引用される余地は小さいという結果でした
  • ただし業種を歯科に変えた同型の質問では民間サイト4件が引用された回もあり(再現は3回中1回)、業種をしぼった記事なら引用される可能性は残っています

資料とノートパソコンを広げてデータを確認している様子

この記事で使う言葉

  • 引用元チップ … ChatGPTの回答に出る、参照元サイトの名前が入った小さな四角いボタンです。押すとそのサイトが開きます
  • ドメイン … support.google.com のような、サイトの住所にあたる部分です
  • 自社ドメイン … ここではGoogleが自分で運営しているサイトのドメインを指します
  • 民間サイト … Google以外の会社・個人が運営しているサイトのことです(解説メディア、企業のブログなど)
  • 上位表示 … 検索結果の上のほうに出ることです

なぜこの調査をしたか

当メディアは「AIに引用される記事」を編集方針の軸にしています。その前提として、AIがどんな質問のときに民間サイトを引用し、どんなときにGoogle公式だけで済ませるのかを、推測ではなく画面の記録で確かめる必要がありました。この調査は、その一連の計測の1回目です。

調査の方法

  • 実施日:2026年9月9日
  • 実施場所:日本国内(福岡市)
  • 使ったAI:ChatGPT(Plusプラン・ウェブ検索ON)。毎回新しいチャットで実施しました
  • 質問:美容室向けの「MEOのやり方」系4問(①何から始めればいいか ②口コミを増やす方法 ③口コミへの返信の仕方 ④上位表示で一番大事なこと)を、それぞれ3回ずつ
  • 記録方法:回答に表示された引用元チップを全件記録しました。画面に描画されたチップをプログラムで機械的に取り出しているため、「+2」のような省略表示は生じていません
  • AIへの質問:「どのサイトを参照したか」は質問していません。画面に表示された引用だけを根拠にしています

結果:12回とも、民間サイトの引用は0件

質問ごとの結果美容室向け4問を各3回。民間サイトの引用が0件だった回数
質問実施回数民間サイトの引用が0件だった回数
① MEO対策、何から始めればいい?3回3回
② 口コミを増やす方法は?3回3回
③ 口コミにどう返信すればいい?3回3回
④ 上位表示で一番大事なことは?3回3回

引用チップは毎回9〜13件、12回で合計136件が表示されました。その136件すべてが、Googleの自社ドメインでした。

内訳は support.google.com(Googleビジネスプロフィール ヘルプ)が大半です。ほかは developers.google.com(開発者向け)、business.google.com(ビジネス向け)、blog.google(Google公式ブログ)、maps.googleblog.com(Googleマップの公式ブログ)、www.google.co.jp(Google検索)など、いずれもGoogleが運営するサイトでした。

業種を変えると結果が分かれた

同じ「何から始めればいい?」型の質問を歯科医院に変えて投げたところ、ある回では民間サイト4件(歯科に特化したGoogleビジネスプロフィールの解説、MEOの実装ガイドなど)が引用されました。

ただし、同じ日に同じ質問を2回投げ直した再現確認では、2回とも民間サイトの引用は0件でした。最初の1回を含めて3回中1回しか出ていないため、「業種をしぼった記事があればAIが引くことがある」とは言えそうですが、安定して起きる現象とまでは言えません。

この結果から言えること・言えないこと

言えること

  • 「やり方・手順」を聞かれたAIは、Google公式ヘルプで答えを完結させる傾向が強い(この4問・この期間では12回中12回)
  • 業種をしぼった質問では、民間サイトが引用されることもある(歯科の3回中1回)

言えないこと(調査の制約)

  • ChatGPT以外のAIや、別の時期・別の質問文でも同じとは限りません
  • 調査は福岡市のネットワークから実施しています。回答が実施地の影響を受けたかどうかは検証していないため、全国の傾向として一般化はできません
  • 歯科の「民間4件」は1回だけの観測で、再現は確認できていません(同日の再試行2回はいずれも0件)

この結果を、当メディアはどう使うか

上の結果を受けて、当メディアは記事の書き方を次のように決めています。

  • やり方・手順の説明では、出典としてGoogle公式ヘルプを明示します。AIがそこを見に行くことが分かっているためです
  • 費用・比較・実際に測ったデータには、自社の調査を使います。これらはGoogle公式が答えを持たない質問なので、当メディアが調べた数字に意味が出ます
  • 業種をしぼった記事は、公開してから毎月の自動計測で引用されるかどうかを確かめます。歯科の例が安定しないため、書いてみないと分かりません

店側は、何をすればよいか

この結果は「AIに引用されるのは誰か」の話で、店の対策そのものではありません。店側がやることは、解説記事にまとめています。

出典