「これからはAI検索の時代だからAI対策を」とよく言われます。では実際に、AIで飲食店を探している人はどれくらいいるのか。COLLINS(飲食店のデジタルマーケティング支援をしている会社)の調査では、約15%でした(2026年1月)。
参考までに、地図アプリの数字も挙げます。店や病院などを探すときに地図アプリを使う人は61.4%です(ソーシャルデータバンク調べ・2024年3月)。ただし、この2つはそのまま並べて比べられる数字ではありません。聞いている相手も、探す対象も、選択肢の範囲も違う別々の調査だからです。それでも、地図アプリのほうが大きく上回っていることは読み取れます。現時点では、まだ地図アプリが主役です。
それでもAI対策を考える価値はあります。理由の1つは、AIに薦められた店に実際に行く人の割合が高いことです。この記事では、出典のある数字だけで現状を整理します。

この記事で使う言葉
- 生成AI … ChatGPTのように、質問すると文章で答えを返すAIのことです
- AI検索 … 検索の代わりに生成AIに聞いて、店や答えを探すことです
- AI対策 … この記事では、AIに店のことを聞かれたときに正しく紹介されるよう備えることを指します
- AI要約(AI Overview) … Google検索の結果ページのいちばん上に出る、AIがまとめた答えのことです。その下に従来のリンクが並びます
- クリック率 … 検索結果が表示された回数のうち、リンクが実際に押された割合です
- MEO対策 … Googleマップの検索結果で、自分の店を見つけてもらいやすくする取り組みです
- Googleビジネスプロフィール … Googleマップに表示される店舗情報です。営業時間やメニューなどを店側で登録します
- 引用元 … AIが回答の根拠として示したサイトのことです
いまの数字(すべて出典つき)
| 調べたこと | 数字 | 出典 |
|---|---|---|
| 飲食店探しでAI検索を使う | 約15% | COLLINS(2026年1月・1,049名) |
| 地図アプリで店・病院などを探す | 61.4% | ソーシャルデータバンク(2024年3月・1,000名) |
| 日本人の生成AI利用経験率 | 26.7%(2024年度)→ 52.2%(2025年度、20歳以上) | 総務省 令和8年版 情報通信白書 |
出典
- COLLINS「飲食店の選び方 2026年最新調査」(2026年1月7日〜14日実施。一人3,000円以上の外食を3か月に1回以上する全国20〜60代の男女1,049名)
- ソーシャルデータバンク「地図アプリに関する調査」(2024年3月21日実施。地図アプリの利用経験がある全国の男女1,000名)
- 総務省 令和8年版 情報通信白書(2024年度までの調査は20歳以上が対象です。2025年度は15〜19歳も加えて調べており、15歳以上の全体では58.8%でした。表では、20歳以上どうしで比べています)
読み取れることは2つです。日本人の生成AI利用経験率は、1年で大きく伸びました(20歳以上で26.7%→52.2%)。けれども店探しの場面では、まだAIは少数派で、地図アプリのほうが多く使われています。
「AI検索のほうがGoogleマップより重要になった」と言える公開データは、見つかりませんでした(2026年9月に当メディアが国内外を探した範囲)。
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それでもAI対策を考える理由
理由1:AIに薦められた店には、実際に行く人が多い
AIで店を探す人は少ないものの、AIで知った店には実際に行く人が多いという結果が出ています。同じCOLLINSの調査では、AIツールで知った飲食店に「2回に1回は行っている」と答えた人が6割近くいました。
InstagramやTikTok、インフルエンサー(SNSで発信して影響力を持つ人)で知った店では、いずれも50%未満でした。
出典の原文は「2回に1回は行っていると回答した割合は6割近くなっている(その他は50%未満)」です。SNS3種それぞれの数字は公表されていません。
理由2:AI要約が出ると、その下のリンクは押されにくくなる
米国のデータですが、別々の調査が同じ方向を示しています。
- Google検索でAI要約を見た人が従来のリンクを押した割合は8%でした。AI要約を見なかった人では15%です(Pew Research Center・2025年3月に行われた検索68,879件を分析)。時間の経過による低下ではなく、2つのグループを比べた数字です
- AI要約が出るキーワードでは、1位のページのクリック率が58%低下していました(Ahrefs・30万キーワードを分析。2025年12月のデータ・2026年2月公開)
どちらも、AI要約が出ると、その下のリンクが押される割合が下がることを示しています。いずれも米国のデータで、日本の飲食店検索を対象にしたものではありません。ただし同じAI要約は、日本語のGoogle検索でも表示されるようになっています。
理由3:米国では、店探しのAI利用が1年で急増した
米国の調査では、地域のお店を探すのに生成AIを使った人が2025年の6%から2026年の45%へ増えました(BrightLocal・米国成人1,002名・2026年3月公開)。日本にそのまま当てはめることはできません。ただ、日本でも生成AIの利用経験率は上の表のとおり伸びています。店探しでAIを使う人が増えたときに備えておく意味はあります。

やることは、MEO対策とほとんど同じ
AI対策として新しく何かを始める必要は、今のところありません。
AIが店について答えるとき、参照できるのは基本的にウェブ上に公開されている情報です。そして飲食店の場合、その公開情報の中心はGoogleビジネスプロフィール(営業時間・メニュー・写真・口コミ)です。整理すると、次の3つはマップにもAIにも同時に効きます。
- 情報を埋めて最新に保つ → マップの「関連性」(検索された言葉と店の情報がどれだけ合っているか)を高め、AIが読む材料にもなります
- 口コミを集めて返信する → マップの評価にも、AIが参照する評判にもつながります
- 定期的に投稿する → マップにもAIにも、新しい情報を届けられます
土台は同じです。MEO対策とはで説明している「登録して、埋めて、最新に保つ」が、そのままAI時代の準備になります。
では、AIに対策の「やり方」を聞くと、何を根拠に答えるのでしょうか。当メディアは2026年10月2日に、飲食店のAI対策などを聞く6問を、ChatGPTに各2回聞きました。「やり方」を聞いた3問では、引用元27件のうち24件が、GoogleとOpenAI(ChatGPTの運営会社)の公式ページでした。残る3件は、1問で引用されたITニュース2件と論文1件です。
出典:当メディアが2026年10月2日に調べた結果です(ChatGPTの無料版で、毎回新しいチャットを開いて聞きました。調査レポートとしては、まだ公開していません)。
OpenAIのページは、ChatGPTがウェブを検索する仕組みを説明したヘルプでした。「AIに紹介されるには何をすればよいか」という質問では、2回ともGoogleビジネスプロフィールを整えることが最初に挙がりました。この1問(2回)の回答では、上で挙げた基本と重なります。
美容室と歯科医院でも、「やり方」を聞く調査をしています。美容室向けの質問4問を各3回聞いたところ、引用元136件はすべてGoogleが運営するサイトでした。大半はヘルプのページです。歯科医院では、3回のうち1回だけ、Google以外のサイト4件が引用されました。方法と制約は「MEOのやり方」をChatGPTに12回聞いた調査で公開しています。
当メディアは、これから毎月測ります
「日本の飲食店探しで、AIが実際に何を見て答えているのか」。これを画面の記録で確かめたデータは、見当たりませんでした(2026年9月に当メディアが探した範囲)。そこで2026年9月11日に、ChatGPTに店探しの質問を18回聞いて記録しました(ChatGPT に18回「おすすめの店」を聞いた調査)。
1回の調査で結論を出さないため、当メディアは毎月同じ20問をAIに聞き、引用元を記録して公開することにしました。この20問は毎月続けるための新しい仕組みで、これまでの調査とは別に行います。結果は調査レポートに、想定と違った回も含めて載せます。
まとめ
- 日本の飲食店探しでAIを使う人は約15%でした。店や病院を探すときに地図アプリを使う人は61.4%でした(別々の調査なので、そのまま比べられません)
- ただしAIに薦められた店に行く割合は6割近くで、SNS経由より高い数字が出ています
- 米国では、AI要約を見た人がリンクを押した割合は8%でした(見なかった人は15%)。店探しのAI利用は1年で6%から45%に増えました
- やることは、MEO対策とほとんど同じです。Googleビジネスプロフィールを整えることが、マップとAIの両方への備えになります
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